コープこうべの挑戦PROJECT STORY 02

ワカモノ応援
プロジェクト×地域

仕組みづくりで地域を支える
私たちの挑戦ストーリー

「万人は一人のために」
私たちの挑戦ストーリー

PROFILE

藤原 智子 FUJIWARA SATOKO

藤原 智子FUJIWARA SATOKO

薬学部薬学科
天然薬物資源学卒業
2000年入所

若者の未来を応援する
生協運動をカタチに。

宅配事業や店舗事業、さまざまな組合員の活動支援などを通じて、コープこうべは地域とのつながりを深め、課題の解決へ向けた取り組みを進めています。その中で、少子高齢化や地域の過疎化といったキーワードとともに、これからの地域の担い手となる“若者との接点づくり”は、近年のコープこうべの課題として組合員からも挙がっていました。
前部署の地区活動本部(現地区本部)で地域や組合員活動と関わる仕事を担当していた藤原が、より広い視点で活動支援の仕組みづくりなどを担う地域活動推進部に配属となったのは2021年。“若者との接点づくり”の取り組みの一つとして、「ワカモノ応援プロジェクト」をリードしました。
※『ワカモノ応援プロジェクト』とは、高校生の学業継続を支援する『奨学金制度』と高校生・大学生等の社会体験を支援する『Konoyubi.』のこと

青少年育成を支える二つの事業をカタチに。

「コープこうべはこれまでもくらしの支援の一環として、フードドライブで組合員から寄付いただいた食品や、組合員からの募金で買ったお米などを、必要な人たちにお渡しすることに取り組んできました。ワカモノ応援プロジェクトはその延長戦上にあるものです。調査によると、高校を中退した場合と卒業した場合では、将来に大きな差が出るといいます。だからこそ、経済的支援が必要な高校生への奨学金制度を立ち上げること。そして、コロナ禍で機会が減っていた高校生や大学生などの若者の社会参加を支援すること。プロジェクトを通してこの二つをカタチにすることは、貧困や格差社会といった社会的課題の解決の一歩でもあり、コープこうべと若者の新たな接点を生み出したいと考えました」

積極的に情報を集め、
ゼロベースから奨学金制度を立ち上げ。

「ワカモノ応援プロジェクト」の一つ、奨学金制度の立ち上げは、藤原はもちろん、コープこうべにとっても未知の取り組み。給付金額や応募条件、審査など、奨学金制度にはさまざまなものがあるため、藤原は地域の高等学校の教職員や、奨学金制度を立ち上げた他の生協にも積極的に話を聞きました。

「高校中退の理由や求められる奨学金のあり方など、リアルな教育現場の声やニーズを教職員から学びました。また、他の生協からは定員を超えた場合や審査基準の設定など、制度を続ける中で出てきた課題をヒアリング。制度によっては保護者の年収で審査したり、一人親世帯のみ受け付けたりと、さまざまなケースがあることも知りました」

そんなヒアリング内容や意見を集約し、藤原は制度の仕組みや募集要項などを策定。組合員の応募から名付けられた給付金型奨学金「てとて」は、2021年8月にスタートしました。

「地域の学校や社会福祉協議会を通して支援が必要な高校生へ広報した結果、申請数は一期生で約100人、二期生は約130人と、少しずつ認知が広がってきています。また、他の組織・団体との連携を見据え、制度を運営する財団法人を2022年7月に設立しました。まだまだ奨学金を必要とするすべての高校生のニーズに応えることはできていませんが、この制度を多くの人に知ってもらうことで、将来は対象人数や学年を広げるといった、さらなる制度の充実が実現できればと考えています」

  • 積極的に情報を集め、ゼロベースから奨学金制度を立ち上げ。
  • 積極的に情報を集め、ゼロベースから奨学金制度を立ち上げ。
  • 積極的に情報を集め、ゼロベースから奨学金制度を立ち上げ。

世代を超えて地域と組合員を笑顔にできる、
場所や機会、仕組みづくりを。

一方、ワカモノ応援プロジェクトのもう一つ、若者の社会参加を支援するの仕組みづくりについても、藤原は「若者が自由に地域でチャレンジできるように」と地域ポータルサイト「Konoyubi.(コノユビ)」を2022年1月17日に開設しました。このサイトで熱意ある地域の若者たちのプロジェクトを募集し、コープこうべが店舗スペースや機材の貸出、広報などで仲間づくりなどを支援する仕組み。そこには、藤原が組合員活動を支援することで実現したい、“誰もが活躍できる機会や場所を作りたい”という想いも込められています。

藤原 智子史

「私は薬剤師としてコープこうべに入所して、商品部でバイヤー、店舗で副店長も経験してきました。これまで商品を組合員に供給することに意識が行きがちでしたが、組合員とふれあう機会が増えた地区活動本部(現地区本部)での経験で、その意識は大きく変わりました。思い出深いのは、まだ組合員の活動支援のことが右も左もわかっていなかった異動当初の淡路島でのプロジェクト。地域環境改善のために企画された、ため池の“かいぼり”の参加者募集を私が担当したのですが、参加理由や目的がそれぞれ異なる農家や漁師、住民たちが約100 名参加して、地域のために懸命に取り組む姿がそこにありました。そして、作業が終わった後の参加者の笑顔を見て、大きな達成感やこれまでにない感情を感じ、地域や組合員が笑顔になれるような場所や機会、仕組みづくりが、これからの私の役割だと気づいたのです」

藤原はその時に感じた想いを持ちながら、これからも誰かを支えたり、学び合えたりできるような、世代を超えた仕組みづくりに取り組んでいきたいと話します。

「Konoyubi.(コノユビ)では、若者のグループが高齢者向けのスマホ教室を開催したり、逆に高齢化が進む地域を盛り上げようと地域一丸となった企画を開催したりと、コープこうべをきっかけに輪が広がり、多世代交流が実現しています。きっとこういった交流が、世代間の理解を促し、よりよい地域づくりにもつながっていくはずです。私はこれからもいろんな場所に顔を出して、現場の声を聞きながら、必要だと感じた仕組みづくりにたずさわっていきたいですね。また、地域の最前線で組合員のさまざまな想いに応えているのが地域担当です。その地域担当がキャッチした情報やニーズを、今後の事業や活動にしっかりと活かしていくことも目標の一つです」